
簡易懸濁法におけるカプセル剤の分類と基礎データ
軟カプセル剤の水への分散性は主に内容物の性状により異なります。そこで、内容物の性状から軟カプセル剤を4種類に分類し、 簡易懸濁法における各分類の基礎データについて研究いたしました。
分類1:懸濁液、半固体
内容物の特徴
油性の不透明な半固形状物。
水に溶けにくく、半固形の形を保ったまま水面に浮遊する。
分類:懸濁液、半固体
崩壊試験
| 5分 | 10分 |
|---|---|
![]() |
![]() |
※剤皮が残留するが、5分で崩壊
通過性試験
| 通過可能なサイズ |
|---|
| 8Fr.(通過はするが、器具内に残渣が多い) |
その他の参考データ
| 懸濁液中の 有効成分の含有量 | 試験器具内への 有効成分の残留率 | 懸濁液のpH |
|---|---|---|
| 約100% | 50%以上 | 約6.3 |
備考
本分類の軟カプセル剤は、通過性が低く、試験器具内で固化・付着しやすかった。
これは、使用されるロウ状の賦形剤が、水に溶け難く、融点が高いためであると考えられた。
類似の薬剤では簡易懸濁法の実施に注意が必要である。

図.通過性試験後のディスペンサーの様子
分類2:液体(油性)
内容物の特徴
油性の透明な液体。
水に溶けにくく、水面に油滴が浮く。
分類:液体(油性)
崩壊試験
| 5分 | 10分 |
|---|---|
![]() |
![]() |
※剤皮が残留するが、5分で崩壊
通過性試験
| 通過可能なサイズ |
|---|
| 8Fr. |
その他の参考データ
| 懸濁液中の 有効成分の含有量 | 試験器具内への 有効成分の残留率 | 懸濁液のpH |
|---|---|---|
| 約100% | 8~27%以上 | 約6.0 |
備考
簡易懸濁法の実施後ディスペンサーを洗浄して再使用する場合、
ディスペンサーの押子の滑りが悪くなる可能性がある。
分類3:液体(水性)
内容物の特徴
水性の透明な液体。
水に溶けやすく、滴下後速やかに溶解、混和する。
分類:液体(水性)
崩壊試験
| 5分 | 10分 |
|---|---|
![]() |
![]() |
※剤皮が残留するが、5分で崩壊
通過性試験
| 通過可能なサイズ |
|---|
| 8Fr. |
その他の参考データ
| 懸濁液中の 有効成分の含有量 | 試験器具内への 有効成分の残留率 | 懸濁液のpH |
|---|---|---|
| 約100% | 10%以上 | 約6.0 |
分類4:液体(マイクロエマルション)
内容物の特徴
透明な液体。
水に滴下すると内容物が数百マイクロメートル程度の細かい粒子状に分散する。
分類:液体(マイクロエマルション)
崩壊試験
| 5分 | 10分 |
|---|---|
![]() |
![]() |
※剤皮が残留するが、5~10分で崩壊
通過性試験
| 通過可能なサイズ |
|---|
| 8Fr. |
その他の参考データ
| 懸濁液中の 有効成分の含有量 | 試験器具内への 有効成分の残留率 | 懸濁液のpH |
|---|---|---|
| 約100% | 10%以上 | 約6.1 |
【注意】
簡易懸濁法による投与方法は適応外使用です。
本技術情報はあくまでも弊社で試験を実施した参考結果であり、投与の適否を示すものではありません。
また、簡易懸濁法により投与した場合の有効性、安全性、体内動態等の確認は行っておりません。
データの利用・簡易懸濁法の実施は、医師・薬剤師様のご判断に基づき実施いただけますようお願い申し上げます。

〒418-0046 静岡県富士宮市中里東町560
Tel:0544-26-3682
Fax:0544-23-8165
E-mail:info@toyo-cap1.com
〒418-0019 静岡県富士宮市南陵7(富士山南陵工業団地内 第7区画)
TEL:0544-21-9513
● GMP認定 医薬品製造工場
● ソフトカプセル製造(ロータリーダイ/シームレス)
● 微粒子充填(Fine Grain Packing)
〒419-0305 静岡県富士宮市下柚野175-1
Tel:0544-67-0144
● GMP認定 食品製造工場
● ソフトカプセル製造(ロータリーダイ)
● ハードカプセル製造
● 錠剤製造
● 顆粒製造
製品: COD FISH CALCIUM
〒104-0031 東京都中央区京橋2-7-8
FPG links KYOBASHI
Tel:03-3528-6889
● マーケティング/営業